恒春堂の特徴についてご紹介します。
文化財修復とは、人の病に例えると入院治療や手術であり、修復技術者は医者のようなものです。正しく診断し、できる限り副作用の少ない的確な処置を行うことが大切です。
素材も状況も、修復する目的も一つ一つ異なる作品への対処には、真摯に向き合う姿勢と豊富な経験が不可欠です。長年にわたる貴重な文化財の修復経験で培った確かな技術で、安心かつ安全な修復を提供しております。
恒春堂は、修復をご依頼いただく所有者様に対し、文化財・美術品を後世に護り伝えることを第一に考え、修復される目的やご予算などのご要望を伺いつつ、豊富な経験と知識による引き出しの中から、最も適切な方法を柔軟に選択してご提案し、保存処置を行います。
これにより、所蔵者様は、少しでもより良い状態で文化財・美術品を後世に繋ぐことができます。
人に使用される新薬が数多くの臨床試験を経て安全性が確認されるのと同様に、文化財の伝統的な材料・技法は、奈良時代から続く装潢(修復・表具)の長い歴史の中でその安全性が確認され、信頼のお墨付きを得ています。
文化財は、修復を繰り返しながら次の時代へと受け継がれていきます。そのため、修復処置を後世で安全に取り除き、再修復できる“可逆性”(元の状態に戻せる性質)が極めて重要です。伝統的材料は、この可逆性を可能とします。