恒春堂では、作品の保存性や風合いを最優先に考え、用途に応じて厳選した手漉き和紙を使用しています。それぞれの紙は、原料、製法、繊維の性質が異なり、裏打ちや下張りなど、役割に応じて使い分けています。
産地・特徴:島根県石見地方産の手漉き楮紙。楮の甘皮部分(繊維が長く強靭な外皮)まで漉き入れることで、耐久性と強度が高い紙となります。
用途:屏風、額、襖の増裏打ちや下張りの一部。装丁の張り込まれた状態での裂けや破れを防ぎ、作品を保護する役割を果たします。
産地・特徴:埼玉県小川・秩父地方産の手漉き楮紙。石州紙よりさらに強靭で、特に乾燥が厳しい関東地方の冬季でも装丁をしっかり支えます。
用途:屏風、額、襖の下張り紙。土台となる下地を強固に支え、裂けや破れから装丁を守る役割を持ちます。