保存・収納箱は外部からの衝撃や水分(湿気)、温湿度や紫外線などの環境要因による影響を最小限に抑え、劣化のスピードを緩やかにすることができます。
掛軸用の桐材印籠箱
<桐箱>
・伝統的な保存箱の代表として、桐箱が挙げられます。
・桐箱は、中に収められる作品の品格を表すともいわれます。
・桐箱に用いられる桐材には、調湿機能があるといわれ、箱内の湿度をある程度調整する機能があります。
・作品に対する外からの影響を更に防ぐためや、作品の品格を表すものとして、作品を収める桐箱をさらに収める外箱を有する二重箱と呼ばれる形態があります。名品の場合、歴代の所蔵者が伝世してきた桐箱自体を保護する目的で外箱を重ね、三重箱・四重箱となることもあります。
・恒春堂では、装丁に合わせた各種桐箱を作製いたします。
掛軸用桐材太巻き芯
太巻き芯を装着し掛軸を巻き取る様子
<太巻き芯の作製>
・巻く際の直径が小さく曲率が大きいほど、折れが生じやすくなります。そこで、「太巻き芯」という巻き芯に巻くことで、巻径を大きくし、曲率を緩やかにし、折れの損傷を緩和することが出来ます。(対症・応急修復の折れ伏せをご参照ください。)
<中性紙による保存箱の作製>
・装潢文化財の劣化の要因の一つとして酸化が挙げられます。
・酸化による劣化の速度を緩やかにするため、また外的酸化から守るために中性紙の保存箱で保管することが良いとされています。
・中性紙を芯材とし、布で化粧貼りを施した中性紙ケースや中性紙ベースのアーカイバルボード(段ボール状の保存用ボード)による保存箱の作製も行っております。